大町には「水」にまつわる話があり、「女清水と男清水」の物語と言われています。昔のこと、町の中央を南北に割って走る通りの東西で人々の飲む水が違っていたそうです。東側は、標高900mの里山、居谷里の湧水を使い、西側は標高3,000m近いアルプスの上白沢(黒部ダムの入口の川上流)の湧水を使っていました。ところが、東の集落では女の子ばかりが、西の集落では男の子ばかりが生まれてきたそうで、いつしか人々は、女清水(おんなみず)と男清水(おとこみず)と呼ぶようになったそうです。困った人々は、町の真ん中に川を作り、両方の水をひとつに合わせ流し、川の両側で幸せに暮らすようになったとのことです。今では二つの水を合わせた水は「縁結びの水、夫婦円満の水」と呼ばれています。男の子が欲しいご夫婦は上白沢の水を、女の子が欲しいご夫婦は居谷里の水を飲んでみたら、望み通りのかわいい子宝が授かるかも?!